廊下に,病棟のスタッフの紹介ボードが設置されています。名前と顔を覚えられることで,なじみの関係をつくりやすくなります。個人の趣味や出身県,好きな食べ物など,個人のキャラクターがわかる情報が添えられていると,さらにその人を覚えやすかったり,親近感を感じやすかったりします(エピソード記憶)。また,「○○さんは,ラーメンが好きなの? 僕も!」などの,会話のきっかけにもなります。
スタッフと,こどもや家族との関係ができていることは,こどもと家族の治療への前向きな姿勢を引き出したり,関係者が一体となってこどもの療養や成長・発達に向かう体制づくりの基礎となります。家族やこどもにとっても信頼や関わりの関係をベースが深まるなかで,悩みや不安を吐露できるようになりますし,スタッフにとっても協力を得られて負担の低減につながります。環境づくりによって,スタッフと,こどもや家族との関係づくりを支援することができます。
キャラクターなどを添えた名札を身につけているなども,同様の自己紹介になります。病状(安静指示等)によっては掲示を見に行けないこどももこどもたちがその場で反応しやすく,会話にもつながりやすいかもしれません。
スタッフの服装についても,多くの医療機関で,こどもや家族が親しみを感じやすい色や柄のものを採用する,キャラクターの小物(ペンなど)を身につける等の配慮がなされています。[6.治療・検査時の心的負担の軽減]で紹介している,動物などのキャラクターをあしらったマスクなども同様にこどもや家族とスタッフとの心理的距離を縮めます。
建築空間としては,[5.生活やくつろぎの雰囲気]があると,お互いに打ち解けやすいでしょう。他に,スタッフステーションが外からよく見えてスタッフに話しかけやすい,スタッフステーションの近くに気軽に滞在できる場所があって会話のきっかけを見つけやすい,家族とスタッフが静かに話せる面談スペースがある,などがこどもや家族とスタッフとの関係づくりを助けます。
(富山大学附属病院)
心 | |
情緒の安定 | |
1.アプローチの期待感 | |
2.気持ちの切り替え空間 | |
3.気分転換ができる | |
4.小さな居場所 | |
5.生活やくつろぎの雰囲気 | |
6.治療・検査時の心的負担の軽減 | |
豊かな感性 | |
7.「触」覚のある環境 | |
8.遊びのなかの触覚 | |
9.全身で感じる遊び | |
10.においの体験 | |
11.風と気づき | |
12.光の体験 | |
13.日常的に美に触れる | |
豊かな心情 | |
14.「演じ」て理解する | |
15.表現する−音楽 | |
16.表現する−絵画,造形 | |
自然と生命への 畏敬と愛情 |
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20.自然に親しむ | |
21.季節を感じ,楽しむ | |
22.命を感じ,親しむ | |
知 | |
創造性の芽生え | |
14.「演じ」て理解する | |
15.表現する−音楽 | |
16.表現する−絵画,造形 | |
17.物語が編み込まれた環境 | |
18.遊び込める仕掛け | |
19.見立てを誘う環境 | |
豊かな言葉 | |
36.文字や数字がある環境 | |
37.知識や物語の泉に触れる | |
38.読み聞かせの演出 | |
39.ショウ&テルの機会 | |
思考力 | |
31.伝統文化を遊ぶ | |
32.自国の文化を知り,親しむ | |
33.多様性を体感する | |
34.電子メディアとの適切な距離感 | |
35.「不思議」,科学の目の芽生え | |
自主性・主体性・意欲 | |
51.「基地」空間 | |
52.アフォーダンスの演出 | |
53.遊びの可視化 | |
54.遊びの保存 | |
55.片付けのための工夫 | |
56.遊びの場の保障 | |
57.集中して遊べる空間 | |
58.プレパレーション | |
自立と自律 | |
23.時間の可視化 | |
24.日課の可視化 | |
25.音で場面や行為を知る | |
26.流れをデザインする | |
27.「自分で」を支える | |
28.着脱の自立への配慮 | |
29.排泄の自立への配慮 | |
30.身近な手洗い場 | |
関わる | |
喜んで話したり 聞いたりする態度 |
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39.ショウ&テルの機会 | |
40.仲間の共有 | |
41.保育単位の連携と柔軟性 | |
42.交流の拡がりを誘う空間 | |
43.育ち合いの仕組み | |
人に対する愛情と信頼感 | |
43.育ち合いの仕組み | |
47.命の祝福 | |
48.自己の成長の確認 | |
49.生活の振り返りの機会 | |
50.作品の展示 | |
他者を大切にする心 協調性 |
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