一日の流れが安定していると,こどもや家族が見通しを持って生活できるため,こどもたちが主体的に動くことができ,情緒も安定します。

 この病棟では,プレイルームの開放時間を掲示しています。プレイルームの開放時間を掲示することで,病院での規則を覚え,こどもたちの病棟へのなじみやすさに繋がります.

 保育施設の事例です。この園では,壁にかけられた時計に並べて,「起きる時間」「保育園に来る時間」などの一日の流れを時刻ごとの時針の絵とともに掲示しています。日課を可視化することが,こどもが自主的に次の活動に向けて準備をしたり,行動をしたりすることの支援につながっています。また,時間の感覚を養う仕掛けともなっています([23.時間の可視化])
こちらは時針の掲示が大きい場合や,写真のように生活場面の流れの説明に重きが置かれている場合などがあります。絵本の「そらまめくん」シリーズ(*)に出てくるキャラクターをモチーフにして,こどもたちが親しみやすく感じられるよう工夫されています([17.物語が編み込まれた環境])。

 ほかにも,週間・月間・年間カレンダーや行事予定などの掲示も,こどもが生活への見通しやイベントごとへのワクワク感をもつことを助けてくれます。また,一日,一週間,一ヶ月,一年といった時間の単位を理解することにもつながるでしょう。

*なかやみわ『そらまめくんのベッド(こどものとも傑作集)』,福音館書店,1999 など


 

情緒の安定
1.アプローチの期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.気分転換ができる
4.小さな居場所
5.生活やくつろぎの雰囲気
6.治療・検査時の心的負担の軽減
豊かな感性
7.「触」覚のある環境
8.遊びのなかの触覚
9.全身で感じる遊び
10.においの体験
11.風と気づき
12.光の体験
13.日常的に美に触れる
豊かな心情
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
20.自然に親しむ
21.季節を感じ,楽しむ
22.命を感じ,親しむ
創造性の芽生え
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
17.物語が編み込まれた環境
18.遊び込める仕掛け
19.見立てを誘う環境
豊かな言葉
36.文字や数字がある環境
37.知識や物語の泉に触れる
38.読み聞かせの演出
39.ショウ&テルの機会
思考力
31.伝統文化を遊ぶ
32.自国の文化を知り,親しむ
33.多様性を体感する
34.電子メディアとの適切な距離感
35.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
51.「基地」空間
52.アフォーダンスの演出
53.遊びの可視化
54.遊びの保存
55.片付けのための工夫
56.遊びの場の保障
57.集中して遊べる空間
58.プレパレーション
自立と自律
23.時間の可視化
24.日課の可視化
25.音で場面や行為を知る
26.流れをデザインする
27.「自分で」を支える
28.着脱の自立への配慮
29.排泄の自立への配慮
30.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
39.ショウ&テルの機会
40.仲間の共有
41.保育単位の連携と柔軟性
42.交流の拡がりを誘う空間
43.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
43.育ち合いの仕組み
47.命の祝福
48.自己の成長の確認
49.生活の振り返りの機会
50.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
44.協働の達成感と喜び
45.集団活動の機会
46.集団のなかでの個の尊重
空間把握と身体の把握
59.拡がりのある空間の体験
60.立体的な空間の体験
61.俯瞰する体験
62.安全と危険の感覚
身体の発達
63.歩行や立ち上がりを誘う設え
64.身体を動かす仕掛け
65.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
66.調理との関わり
67.食べ物を知る
68.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
69.地域の文化と伝統に親しむ
70.地域との連携
71.時間の共有
72.情報を伝える仕掛け
73.スタッフとこどもや家族との関係を  つくる仕掛け
74.家族とつくる環境
75.家族と家族の活動の支援
76.家族同士の関係をつくる仕掛け