

集団の中での個の尊重を環境が支えるためには、まずは一人、あるいはごく少人数でいられることが大切です。一人でいられる場所があること、一人でいるようにデザインされた場所があることは、一人という活動単位を自然に促し、またそれが他者の目から見ても自然に写ります。「一人でいること」は、時には当然のことなのだ、としてこどもや保育者が受け入れられる環境設定は、個別の活動や滞在、個が尊重される土壌づくりをサポートします。

(富山大学附属病院)

プレイルーム以外にも,ロビーや廊下など,病棟内外の共用空間に設置されたベンチなどの滞在場所も,同様に1人の場面を誘うでしょう。また,患者図書館などこどもが使える院内の施設なども,1人になれる場所となります。
症状などによっては,プレイルームなどの共用空間に出られないこどももいます。また,自分の周囲の環境での安心感が一番最初のなじみの足がかりになる場合もあります。このような場合,病床まわりでのパーソナライゼーション(その人らしく環境を設えること)が「個の尊重」に結びついていきます([48.自己の成長の確認])。


 
  
|  心 | |
|  | 情緒の安定 | 
| 1.アプローチの期待感 | |
| 2.気持ちの切り替え空間 | |
| 3.気分転換ができる | |
| 4.小さな居場所 | |
| 5.生活やくつろぎの雰囲気 | |
| 6.治療・検査時の心的負担の軽減 | |
|  | 豊かな感性 | 
| 7.「触」覚のある環境 | |
| 8.遊びのなかの触覚 | |
| 9.全身で感じる遊び | |
| 10.においの体験 | |
| 11.風と気づき | |
| 12.光の体験 | |
| 13.日常的に美に触れる | |
|  | 豊かな心情 | 
| 14.「演じ」て理解する | |
| 15.表現する−音楽 | |
| 16.表現する−絵画,造形 | |
|  | 自然と生命への 畏敬と愛情 | 
| 20.自然に親しむ | |
| 21.季節を感じ,楽しむ | |
| 22.命を感じ,親しむ | |
|  知 | |
|  | 創造性の芽生え | 
| 14.「演じ」て理解する | |
| 15.表現する−音楽 | |
| 16.表現する−絵画,造形 | |
| 17.物語が編み込まれた環境 | |
| 18.遊び込める仕掛け | |
| 19.見立てを誘う環境 | |
|  | 豊かな言葉 | 
| 36.文字や数字がある環境 | |
| 37.知識や物語の泉に触れる | |
| 38.読み聞かせの演出 | |
| 39.ショウ&テルの機会 | |
|  | 思考力 | 
| 31.伝統文化を遊ぶ | |
| 32.自国の文化を知り,親しむ | |
| 33.多様性を体感する | |
| 34.電子メディアとの適切な距離感 | |
| 35.「不思議」,科学の目の芽生え | |
|  | 自主性・主体性・意欲 | 
| 51.「基地」空間 | |
| 52.アフォーダンスの演出 | |
| 53.遊びの可視化 | |
| 54.遊びの保存 | |
| 55.片付けのための工夫 | |
| 56.遊びの場の保障 | |
| 57.集中して遊べる空間 | |
| 58.プレパレーション | |
|  | 自立と自律 | 
| 23.時間の可視化 | |
| 24.日課の可視化 | |
| 25.音で場面や行為を知る | |
| 26.流れをデザインする | |
| 27.「自分で」を支える | |
| 28.着脱の自立への配慮 | |
| 29.排泄の自立への配慮 | |
| 30.身近な手洗い場 | |
|  関わる | |
|  | 喜んで話したり 聞いたりする態度 | 
| 39.ショウ&テルの機会 | |
| 40.仲間の共有 | |
| 41.グループ規模の柔軟性 | |
| 42.交流の拡がりを誘う空間 | |
| 43.育ち合いの仕組み | |
|  | 人に対する愛情と信頼感 | 
| 43.育ち合いの仕組み | |
| 47.命の祝福 | |
| 48.自己の成長の確認 | |
| 49.生活の振り返りの機会 | |
| 50.作品の展示 | |
|  | 他者を大切にする心 協調性 |