立体的な空間とは,たとえば吹き抜けや中二階,ロフト,視野が拡がる階段などがあって,空間が2層・3層になっている空間,それが感じられる空間を指します。保育施設やご家庭では,平面的な拡がりはあっても,立体的な空間を体験しにくいことが少なくありません。

 園庭などの屋外空間では,ジャングルジムや滑り台など高さのある遊具が置かれていることが多いのですが,屋内空間,つまり一定の制限のある空間(大きさが限定された空間)のなかで立体的な空間を体験できると,三次元の「空間」というものを理解するきっかけとなりやすいと言えます。例えば園庭で,ジャングルジムに登って周囲を見回しても,その向こう側の境界が茫漠としているので,「空間」は把握しにくいのです。

 三次元立体としての空間を体験することは,空間と自分の身体を把握しすることにつながります。また立体的な空間では,身体のいろいろな部分を総合的に使って移動したり遊んだりすることができるため,身体づくりにもつながります。

 

 とはいっても,療養空間では立体的な空間を用意することは事故や怪我の防止などの観点から,大きな立体的空間をつくることは一般的には難しいものでしょう。

      

 トップの写真のプレイルームでは,小上がり(写真左)の段差と,窓際のフラットなスペースとの間にテーブルにもなる台が置かれています。このような「高さの違うスペース」が隣接していることも,立体的な空間の一例です。

 

 

情緒の安定
1.アプローチの期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.気分転換ができる
4.小さな居場所
5.生活やくつろぎの雰囲気
6.治療・検査時の心的負担の軽減
豊かな感性
7.「触」覚のある環境
8.遊びのなかの触覚
9.全身で感じる遊び
10.においの体験
11.風と気づき
12.光の体験
13.日常的に美に触れる
豊かな心情
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
20.自然に親しむ
21.季節を感じ,楽しむ
22.命を感じ,親しむ
創造性の芽生え
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
17.物語が編み込まれた環境
18.遊び込める仕掛け
19.見立てを誘う環境
豊かな言葉
36.文字や数字がある環境
37.知識や物語の泉に触れる
38.読み聞かせの演出
39.ショウ&テルの機会
思考力
31.伝統文化を遊ぶ
32.自国の文化を知り,親しむ
33.多様性を体感する
34.電子メディアとの適切な距離感
35.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
51.「基地」空間
52.アフォーダンスの演出
53.遊びの可視化
54.遊びの保存
55.片付けのための工夫
56.遊びの場の保障
57.集中して遊べる空間
58.プレパレーション
自立と自律
23.時間の可視化
24.日課の可視化
25.音で場面や行為を知る
26.流れをデザインする
27.「自分で」を支える
28.着脱の自立への配慮
29.排泄の自立への配慮
30.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
39.ショウ&テルの機会
40.仲間の共有
41.保育単位の連携と柔軟性
42.交流の拡がりを誘う空間
43.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
43.育ち合いの仕組み
47.命の祝福
48.自己の成長の確認
49.生活の振り返りの機会
50.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
44.協働の達成感と喜び
45.集団活動の機会
46.集団のなかでの個の尊重
空間把握と身体の把握
59.拡がりのある空間の体験
60.立体的な空間の体験
61.俯瞰する体験
62.安全と危険の感覚
身体の発達
63.歩行や立ち上がりを誘う設え
64.身体を動かす仕掛け
65.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
66.調理との関わり
67.食べ物を知る
68.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
69.地域の文化と伝統に親しむ
70.地域との連携
71.時間の共有
72.情報を伝える仕掛け
73.スタッフとこどもや家族との関係を  つくる仕掛け
74.家族とつくる環境
75.家族と家族の活動の支援
76.家族同士の関係をつくる仕掛け