

トップの写真の病棟では,病棟のデザイン全体を「病気や怪我をした動物たちが,森の中央にあるお医者さんの木に集まって,元気になる」というストーリーに沿って構築しており,処置室はその中心に位置づけられています。廊下には,病室から続く動物の足跡が描かれていますが,その足跡はこの処置室に集まっています。こどもと一緒に,「犬さんの足跡を辿って,一緒に病気を治しに行こうね」といった声かけができる仕掛けです(17.物語が編み込まれた環境)。
処置室に入ると,壁や天井に四季をイメージした穏やかなイラストが描かれており,こどもの治療への恐怖心を和らげています。

処置室での様々な処置や検体採取などは,こどもにとって負担であることが多く,処置室を嫌って処置室に入るだけで不安になったり,暴れたりして治療に生じるばかりか患児本人と医療スタッフにとっても危険が及ぶ場合もあります。
このため,多くの処置室では処置室の壁や天井,機材などに,こどもの不安や緊張を和らげる工夫をしています。このような工夫は,こどもの負担を減じるだけではなく,スタッフにとっても物理的に治療を行いやすくなるメリットがあります。また,こどもとスタッフの関係づくりにも貢献します。



(東京女子医科大学東医療センター)

(富山大学附属病院)

こちらは,医療スタッフが着けるマスクに恐怖心を覚えてしまうこどももいることから,ある医療機関で開発した,動物の顔パーツが付けられたマスクです。このマスクを着けると愛嬌のある容貌になりますので,こどもや家族とスタッフとの関係構築や,こどもの恐怖心の低減などに役立ちます。
なによりも,「こどもの目線に立っています」ということを,言葉を使わなくても伝えられることはとても大切なことでしょう
【参考文献】チャイルド・ケモ・ハウス アニマルマスク
| 情緒の安定 | |
| 1.アプローチの期待感 | |
| 2.気持ちの切り替え空間 | |
| 3.気分転換ができる | |
| 4.小さな居場所 | |
| 5.生活やくつろぎの雰囲気 | |
| 6.治療・検査時の心的負担の軽減 | |
| 豊かな感性 | |
| 7.「触」覚のある環境 | |
| 8.遊びのなかの触覚 | |
| 9.全身で感じる遊び | |
| 10.においの体験 | |
| 11.風と気づき | |
| 12.光の体験 | |
| 13.日常的に美に触れる | |
| 豊かな心情 | |
| 14.「演じ」て理解する | |
| 15.表現する−音楽 | |
| 16.表現する−絵画,造形 | |
| 自然と生命への 畏敬と愛情 |
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| 20.自然に親しむ | |
| 21.季節を感じ,楽しむ | |
| 22.命を感じ,親しむ | |
| 創造性の芽生え | |
| 14.「演じ」て理解する | |
| 15.表現する−音楽 | |
| 16.表現する−絵画,造形 | |
| 17.物語が編み込まれた環境 | |
| 18.遊び込める仕掛け | |
| 19.見立てを誘う環境 | |
| 豊かな言葉 | |
| 36.文字や数字がある環境 | |
| 37.知識や物語の泉に触れる | |
| 38.読み聞かせの演出 | |
| 39.ショウ&テルの機会 | |
| 思考力 | |
| 31.伝統文化を遊ぶ | |
| 32.自国の文化を知り,親しむ | |
| 33.多様性を体感する | |
| 34.電子メディアとの適切な距離感 | |
| 35.「不思議」,科学の目の芽生え | |
| 自主性・主体性・意欲 | |
| 51.「基地」空間 | |
| 52.アフォーダンスの演出 | |
| 53.遊びの可視化 | |
| 54.遊びの保存 | |
| 55.片付けのための工夫 | |
| 56.遊びの場の保障 | |
| 57.集中して遊べる空間 | |
| 58.プレパレーション | |
| 自立と自律 | |
| 23.時間の可視化 | |
| 24.日課の可視化 | |
| 25.音で場面や行為を知る | |
| 26.流れをデザインする | |
| 27.「自分で」を支える | |
| 28.着脱の自立への配慮 | |
| 29.排泄の自立への配慮 | |
| 30.身近な手洗い場 | |
| 喜んで話したり 聞いたりする態度 |
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| 39.ショウ&テルの機会 | |
| 40.仲間の共有 | |
| 41.保育単位の連携と柔軟性 | |
| 42.交流の拡がりを誘う空間 | |
| 43.育ち合いの仕組み | |
| 人に対する愛情と信頼感 | |
| 43.育ち合いの仕組み | |
| 47.命の祝福 | |
| 48.自己の成長の確認 | |
| 49.生活の振り返りの機会 | |
| 50.作品の展示 | |
| 他者を大切にする心 協調性 |
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