衣類の着脱場面では,「自分の棚から衣類を出したり,汚れ物を自分の袋などに入れる」「自分で衣類を脱ぎ着する」などへの配慮があると良いでしょう。
こどもが自分の持ち物棚がわかるためには,小さな年齢のこどもには自分の顔写真(保護者と一緒の写真を使うこともあります:㊶)を持ち物棚に掲示する,少し大きくなるとこども1人ひとりに固有の「マーク」を用意して,分散配置されるそれぞれのこどもの持ち物の所定の位置にそのマークを貼る,などの工夫がしばしば見られます。

「いつも同じ場所に同じものがあり,同じ行動が求められる」という統一されたルールに乗っ取っていることで,こどもが理解しやすくご家族の管理も容易になります。病室の場合には,付添家族の着替えなどの荷物と,こどもの荷物が混在することになると,こどもが自分でもちものの管理をしにくくなりますので配慮が必要でしょう。
ベッド周りに余裕を持てる場合には,家族のための荷物や食べ物などをいれる「大人が管理する」棚と,こどもが衣類や持ち込んだ玩具,本などを管理できる棚に分けておけるなどのベッドサイドの配慮があると良いのではないでしょうか。図は,衣類や玩具の置き場所を示すイラストなどを添えた棚が置かれたベッドサイドのイメージです。

 着脱の自立に向けては他に,靴やオムツやパンツ,ズボンやスカートなどを着脱しやすいように腰掛けられるボックスや椅子,ベンチを着脱スペースに置く,衛生的に床に座り込めるようにおしり敷き(タオル)を用意する,などの工夫が見られます。

保育施設の事例です。トイレに,着脱や衣類の準備のためのベンチが置かれています。このトイレは保育室と連続性があるオープンなトイレで,日常生活に溶け込んでいます([29.排泄の自立への配慮])

 

情緒の安定
1.アプローチの期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.気分転換ができる
4.小さな居場所
5.生活やくつろぎの雰囲気
6.治療・検査時の心的負担の軽減
豊かな感性
7.「触」覚のある環境
8.遊びのなかの触覚
9.全身で感じる遊び
10.においの体験
11.風と気づき
12.光の体験
13.日常的に美に触れる
豊かな心情
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
20.自然に親しむ
21.季節を感じ,楽しむ
22.命を感じ,親しむ
創造性の芽生え
14.「演じ」て理解する
15.表現する−音楽
16.表現する−絵画,造形
17.物語が編み込まれた環境
18.遊び込める仕掛け
19.見立てを誘う環境
豊かな言葉
36.文字や数字がある環境
37.知識や物語の泉に触れる
38.読み聞かせの演出
39.ショウ&テルの機会
思考力
31.伝統文化を遊ぶ
32.自国の文化を知り,親しむ
33.多様性を体感する
34.電子メディアとの適切な距離感
35.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
51.「基地」空間
52.アフォーダンスの演出
53.遊びの可視化
54.遊びの保存
55.片付けのための工夫
56.遊びの場の保障
57.集中して遊べる空間
58.プレパレーション
自立と自律
23.時間の可視化
24.日課の可視化
25.音で場面や行為を知る
26.流れをデザインする
27.「自分で」を支える
28.着脱の自立への配慮
29.排泄の自立への配慮
30.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
39.ショウ&テルの機会
40.仲間の共有
41.保育単位の連携と柔軟性
42.交流の拡がりを誘う空間
43.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
43.育ち合いの仕組み
47.命の祝福
48.自己の成長の確認
49.生活の振り返りの機会
50.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
44.協働の達成感と喜び
45.集団活動の機会
46.集団のなかでの個の尊重
空間把握と身体の把握
59.拡がりのある空間の体験
60.立体的な空間の体験
61.俯瞰する体験
62.安全と危険の感覚
身体の発達
63.歩行や立ち上がりを誘う設え
64.身体を動かす仕掛け
65.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
66.調理との関わり
67.食べ物を知る
68.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
69.地域の文化と伝統に親しむ
70.地域との連携
71.時間の共有
72.情報を伝える仕掛け
73.スタッフとこどもや家族との関係を  つくる仕掛け
74.家族とつくる環境
75.家族と家族の活動の支援
76.家族同士の関係をつくる仕掛け