64.調理との関わり

食事は文化のひとつであり,健康な食生活は健やかな身体や心の基盤の一つとなります。誰かと食をともにすることは人間関係の構築にもつながります。
食事やおやつをつくる様子が見えたり,その匂いを感じたりすることは,食や調理への興味関心を育て,食欲を刺激して積極的に食に向かう姿勢に結びついていきます。それは,主体的に生活に向かう姿勢のひとつでもあります。

園にランチスペースやホール兼ランチスペースを設ける場合には,配膳のしやすさやこどもたちが調理の様子を見えやすいようになどの配慮から,多くのケースでランチスペースと調理室を隣接させて配置します。さらに多くのケースで,配膳がしやすいように両スペースの間にはカウンターを置きます。

こちらの園では,厨房からもってきた食事を,保育室の一角に設けられたパントリー(簡易的なキッチンや配膳できるスペース)でこどもたちが配膳します。パントリーはランチスペースと一体的に設けられています。

この園では,5歳児を中心に頻繁に調理活動をしています。そのために,園庭の一角に調理活動のスペースをつくっています。調理活動では,火を起こし,近所の大工さんなどからもらってくる木材を燃やしてカレーや豚汁などをつくります。自分たちで食事を作ることで,食材や,調理のプロセス,食事を作る人の気持ち,食べてもらったときの気持ちなどを知っていきます。