43.協働の達成感と喜び

他者を大切にする心や、他者との関わりを喜ぶ態度を育てるために、こどもたちが協働してなにかをやり遂げ、その達成感や喜びを共有する体験をもつことが推奨されています。人との関わりの中でともに何か大きな事柄を成し遂げるには、「どうすればいいか」「どうすればより良いものができるか」「良い関係のなかで物事を進められるか」など、たくさんのことを考える機会を持てます。こうした機会が、創造性や思考力の成長につながっていきます。もちろん、達成感や喜びを共有することで、仲間や仲間関係への愛着を強くし、人に対する愛情や信頼感が醸成されるでしょう。

この園では体操のプログラムを週間のスケジュールとして保育に取り入れています。「個人のスキル」と「集団でのパフォーマンス」の両方をバランスよく配され、こどもたちは互いに切磋琢磨しながら伸び合う関係を築きながら、協力して一つの物事を成し遂げる経験を重ねていきます。写真は運動会での一場面ですが、一人の技、3人の技、7人、10人、20人、と複数の集団規模でのパフォーマンスが披露されます。普段の保育の中でも、それぞれの「技」のグループを意識してこどもたちの遊びの集団ができることもあるようです。まさしく、協働の機会がこどもたちの仲間意識を育てる一助となっています。

こちらの園では、年に一度、それぞれのクラスまたはクラス合同で、こどもと大人が楽しめる作品展を行っています。こどもたちの基地や、園庭と園舎内の空間をつないだ遊びのサーキットなどがつくられます。作品展が終わった後もしばらくはこどもたちの遊び場となっています。

ほかに、合唱やダンス、卒業制作などの取り組みを重視する園もあります。