48.生活の振り返りの機会

行事などを中心として,日々の生活を振り返り,思い出やその時々の想いを表現したり,まとめておくことは,感情や記憶を整理するとても大切な機会です。

この園では,イベントなどがあると,当日か翌日かにそのイベントを題材にした「印象画」をそれぞれのこどもが描く機会を必ず設けています。この活動によって,こどもたちはイベントを振り返り,そのときにあったことや感じたことを自分なりに消化し,表現するなかでその体験を自分のものとしていきます。印象画は保護者が送迎に来たときなどに見える場所に飾られ,こどもと保護者がイベントやそこでの思いを共有するきっかけになっています。他のクラスの保育者が,こどもたちの画を見て会話のきっかけを得たり,成長の様子を見る機会にもなっています。

こちらは,なにかのイベントがあったときに,そのイベントの様子を写真やイラストなどで模造紙にまとめて玄関ホールに掲示している例です。こどもと保育者,保護者が朝夕の送迎や外出の出入りの際にこの様子を見て,イベントの振り返りができます。またこどもと保護者,保育者と保護者がこどもたちと日々の様子を共有する仕掛けとなっています。

年長児の保育室にのぼっていく階段の壁面に,「0歳児のころ」「1歳児のころ」のように,そのこどもたちが数年間にわたって園でどのような生活を送ってきたのかを印象的な写真でまとめて紹介しています。この掲示物は,卒園を間近に控えた時期と,彼ら彼女らを送ったあとの時期の設えです。卒園するこどもたちとその保護者にとっての振り返りの機会であり,また卒園していったお兄さん・お姉さんを思い出しながら,今度は自分たちが年長児として卒園に向かう1年間を過ごす,新しい年長児たちに向けたメッセージとなっています。