20.季節を感じ,楽しむ

*園のご要望により、加工しない写真を掲載しています。

我が国は,四季折々の表情のある美しい国です。しかし特に都市部に住むこどもたちは,季節を身体や五感の全てで感じて楽しむという機会に恵まれていないこともしばしばあります。
夏祭りやプール,雪遊び,枯れ葉や落ち葉を踏んだり集めて作品をつくったり,花や野菜を育てて収穫を楽しむ([19.自然に親しむ],[66.食べ物を育てる体験]),虫の音に耳を傾けるなど,季節を感じ,楽しむことにはさまざまな場面やアプローチが有り得ます。「秋になったので日が暮れるのが早くなってきたね」など,日の入り時刻や気温の変化などをこどもが季節と関連づけて認知できるよう,保育者や保護者が言葉にすることもこどもたちの身の回りの自然現象への気づきや理解を助けます。

この園では,夏になると園庭の段差を利用して,園庭の一角に丸太と土で土手をつくって囲い,地下水を組み入れることで池がつくられます。そこにジャングルジムや木を組んだ遊具が設えられ,夏の間だけの遊び場所が出現します。池にはボートが浮かべられ,こどもたちは全身で季節を感じて遊ぶことができます。
この作業はスタッフと保護者が協力して行います。こうした活動が,保護者が園の環境づくりに関わっていく機会や,保護者同士の交流の機会として位置づけられています。こどもたちも,お父さんやお母さんがつくってくれたジャブジャブ池!!と喜びます。

そこまではできずとも,お花見や七夕,夕涼み,夏祭り,芋掘り,収穫祭,お月見など季節ごとの行事も大切にすることで季節を感じ,楽しむ姿勢を育てることは多くの園で取り組まれています。こうした行事は,こどもたちに我が国の文化や伝統的な季節の楽しみ方を伝える機会ともなっています。宗教を保育・教育のベースとする園やご家庭では,花祭りやクリスマス,イースターなども,宗教文化の根幹となる大切な年間行事ではないでしょうか。最近では,元はケルトの収穫祭で宗教色が強くない行事ということでハロウィンパーティで仮装を楽しんだりする園もあるようです。