36.知識や物語の泉に触れる
保育室などで,「いまこどもたちに読んで欲しい本」「関心をもつだろう本」を選んで,表紙が見えるように飾ることがよくあります。表紙が見えるとやはりこどもは興味をそそられますし,本を読むことを誘うセッティングとして,とても有効です。
一方で,本屋さんや図書館などでたくさんの本を見ると,こどもたちは圧倒され,興奮しながら次々と本を手に取っていきます。これはという一冊を見て,それに触れることに加えて,世界にはたくさんの知識や物語があふれていることをヴィジュアルとして見て,その実感を得ることは,「見たい,知りたい」という欲求を直接的に刺激し,憧れや意欲の醸成につながっていきます。
このような知識や物語への憧れや意欲は,創造性や思考力,豊かな感性や心情として結実していきます。先人たちや大人たち,ときには(かつての)同世代のこどもたちが自分に語りかけてくること,たくさんの「他者」がいることを意識することで,他者への気持ちや人に対する愛情など,関わる力を育てもするでしょう。
トップの写真は絵本の部屋です。中央に,文字通り「絵本に囲まれる」空間があります。