13.「演じ」て理解する
おままごとやお世話遊びは,「演じる」遊びの一種と言えます。「演じる」遊びでは,ある役割になって行動することで,その気持ちや立場,望ましい振る舞いを遊びを通して理解し,身につけることができます。例えば人形のお世話をしながら,自分にかけられる愛情を理解したり,愛情を求める気持ちを表現したりすることもあるでしょう。自分の気持ちを表現することが難しいこどもが,虐待などのストレスを人形遊びのなかで「再現」し,周囲がそうしたトラブルに気づける症例があることも知られています。
この写真は、壁に,飾られるようにしまわれた,いろいろなキャラクターの,色とりどりのパペットです。こどもたちはパペットを動かすことで、演じる遊びができます。
(狭山ひかり幼稚園)
ままごと遊びのために、遊具や玩具がしつらえられたゾーンです。場が明確に作られ、遊びの手がかりがちりばめられていることで、ここではこどもたちが十分に遊び込むことができます。
こどもたちの身長に合った天井高の遊具のなかにつくられたままごとの設えです。高さ方向の環境づくりが,その場の雰囲気に大きく影響することがわかります。
地域のコミュニティ施設のホールを借りて、保育所の生活発表会を行う園での、3〜4歳児によるミュージカルの一こまです。こどもたちはお芝居を通して、登場人物の気持ちを自分のものとして感じたり、役柄や気持ちにふさわしい立ち居振る舞いを体験することで、他者の感情を理解したり場にふさわしい振る舞いをすることを身につけていきます。こどもたちはまた、表現する喜びや、他のこどもたちと協同してなにかをつくりあげていくことへの楽しみや達成感を味わいます。
こちらは全国で初めて作家である芸術士を保育所に派遣し,芸術士がこどもたちと生活を共にしながら,こどもたちの興味や芸術表現をサポートする保育活動に取り組んでいる一例です。
あーとなほいくがはじまったよ 芸術士のいる保育所