69.保育の時間の共有

こどもは,今日という日をどのように過ごしたのでしょうか。誰と関わり、どのような体験をして、何を感じ、それがどのような発話となって現れてくるのでしょうか。

保育の時間を保育者と家庭で共有することは、こどもの体験や成長・発達を統合的に捉えることにつながります。こどもがふとした時に発する一言、それが何を意味することか、どのような背景から生じた一言かを理解して接することで、こどもの成長・発達を全面的に受け止めることができます。

また情報共有は家庭での会話の端緒ともなり、その積み重ねは体験や感情を言語化することの訓練にもつながります。言語化は記憶を強化するため、望ましい行為や発話の学習効果も期待できます。

写真は保育園での事例ですが,その日にあったことを保護者に伝えるコーナーを設けている園は多くあります。クラスの入口に掲示版を設けたり、園の入口にスケッチブックを置く、写真を掲示するなど、いろいろな工夫が見られます。こうした情報提供によって保育内容を共有することで、家庭と保育者が連携してこどもの育ちを支え、またこどもの気持ちを受け止める土壌をつくっていきます。