40.保育単位の連携と柔軟性

「遊ぶ」集団をどのように設定するかは,こどもたちどうしの関係や,遊びの内容にも影響します。ペースや身体能力などが類似したこどもたちを集団とすることで,活動のしやすさや安全性を確保するという観点から,年齢ごとに保育単位(クラス)をつくる,または障がいの特性ごとにクラスをつくって,そのクラスごとに遊びや遊び場所を組み立てる園が多いでしょう。こどもたちの状態には大きな差異があることから,それに対応しながらこどもたちの多様な活動や個別の課題に向かい合う体制をつくりやすいと言えます。

一方,異年齢合同クラスや障がいの特性によらない育ち合いを重視する例もあります。このように保育単位そのものを多様な属性の集団とすることや,設定した保育単位どうしが連携して遊びや遊びの場を組み立てること,または保育単位が柔軟であることは,こどもたちの創造力や自発的な遊びを誘発し,豊かな感性を育みます。また交流の拡がりのなかで協調性や思いやり,上の年齢のこどもとの遊びのなかで運動能力を身につける契機ともなるでしょう。

写真の園では,ホールや遊戯室を活用してクラス合同での保育を日常的に行っています。これによって,保育単位(クラス)を超えた遊び仲間の形成や遊び内容の発展が起こっています。