13.「演じ」て理解する

おままごとやお世話遊びは,「演じる」遊びの一種と言えます。「演じる」遊びでは,ある役割になって行動することで,その気持ちや立場,望ましい振る舞いを,遊びを通して理解し,身につけることができます。例えば人形のお世話をしながら,自分にかけられる愛情を理解したり,愛情を求める気持ちを表現したりすることもあるでしょう。自分の気持ちを表現することが難しいこどもが,虐待などのストレスを人形遊びのなかで「再現」し,周囲がそうしたトラブルに気づける症例があることも知られています。

写真の園では,ホールの隣の収納庫に「とこやさんごっこ」のおもちゃを置いています。このおもちゃを使い,「とこやさんごっこ」をすることで,実際に髪を切ってもらう時の心構えや見通しを持てるようにします。「お店屋さんごっこ」のおもちゃもあり,自分が実際にお店に行くときの見通しを立てるようにしています。