46.命の祝福

生まれてきてくれたことに感謝し,祝福する。お誕生日のお祝いは,個人とその存在を受け止め肯定すること,それを伝えることの大切な機会です。

月ごとに掲示やおたよりでお誕生日のこどもを紹介したり,月ごとや当日にお誕生日会(お楽しみ会など)をする,といった取り組みは一般的ですが,このような機会はこどもたちどうしがお互いへの思いやりを育んだり,自己肯定感をもつことも助けます。

また,「お誕生日なのね」,といった保護者どうしの会話のきっかけにもなりますし,他のこどもへの親しみの形成も助け,保護者が園全体の保育に協力する気持ちをつくることにもつながります。「○○ちゃん,大きくなったのね」など,他のこどもの誕生日をきっかけに,保護者が時間の流れを意識するきっかけは,自分の子育ての日々をふと振り返る機会にもなるでしょう。また自分のこどもより上のこどもの月齢を知ることで,保護者はこどもの発達への見通しももちやすくなります。

写真は,統合保育にも積極的に取り組んでいる保育園での事例です。この園では,園児にきょうだいが生まれると,玄関ホールにリボンとカードを掲げてお祝いをします。園と園児,その家族を,ひとつの保育共同体として連帯感を醸成するきっかけとしても有効でしょう。また,同じ園のご家庭にきょうだいが増えたというニュースは,二人目,三人目が欲しいけど大丈夫だろうかと躊躇するお父さん,お母さんを勇気づけもするでしょう。なにより,いのちの誕生をみんなでお祝いするというあたたかな気持ちを環境が支援している,素敵な環境づくりの例だと言えます。