4.くつろいだ雰囲気

日中の療育の場としては,こどもが「家庭」とは違う環境で,落ち着きよりもしゃきっと過ごす場面が重要と考えられる園もあるかもしれません.一方で,家庭の延長にある穏やかな環境のなかで,こどもたちが自然体に過ごせることが重要な場面もあるでしょう.穏やかな環境の演出には,やわらかさや,あたたかさを感じられる設えが有効です.具体的には,木質系やファブリック(布系)の素材を採り入れた環境づくりが挙げられますが、こどもたちへの過剰な刺激とならないように,柄の少ない無地の布など,シンプルな素材を用いるように心がけることが大切です.

柔らかさやあたたかさを感じるには色味も重要で,一般に,パステルカラーやナチュラルカラーと呼ばれている,明るい,すこし渋めの色調が落ち着きと柔らかさを醸し出します.

他に,間接照明や,白熱球(暖色系の色味の光の電球)を使った照明も穏やかな環境を演出します([11.光の体験]を参照)。音楽を流してリラックスを誘う例もあります。