28.排泄の自立への配慮

こどもにとって園のトイレとは、排泄行為を行うための生活の空間であると同時に、排泄という基本的生活行為を学び、習慣づけるための学びの空間でもあります。トイレは、こどもが喜んで行きたくなるような、明るく清潔で、不安を感じずにリラックスできる、あるいはみんなで楽しく利用できるような空間にしたいものです。

幼児の場合は羞恥心もめばえ,就学に向けた準備という観点からも個別のブースを設けていくことになります。保育施設によっては,トイレ空間全体としては一人ずつ個別に利用するプライベートな空間としてではなく、こどもたちがみんなで積極的に赴くことのできるパブリックな空間として捉えるという発想でデザインされている例もあります。オープントイレと呼ばれる,トイレと生活空間が一続きの空間があえて選ばれている事例では,排泄を特別なこととせず,生活のなかに溶け込ませています。また排泄の自立が困難な肢体不自由のこどもがいる園では,写真のようなおむつ交換台や高床の便座などを設けることも必要でしょう。