24.音で場面や行為を知る

こどもが場面ごとに相応しい行為や行動があることを理解すること,またそれぞれの場面でそのようにふるまえることは,こどもの自立と自律や主体性につながっていきます。その場での適切な活動内容やふるまいを感じようとすることで思考力も鍛えられるでしょう。しかし,[㉒時間の可視化]にあるように,場面の切り替わりを理解しにくいこどももいます。

場面や,その場の意図をこどもたちに伝える手段として,光([11.光の体験])やにおい([9.においの体験])など五感に訴える方法があります。音もそのひとつです。

写真は,マットが敷かれた,おもちゃで遊ぶための部屋です。動的な活動の場とはドアで切り離された「室」としてつくられていることで,その空間に来る/そこに居ることで,場面の切り替えを明確に意識することができます。

他に音で場面や行為を演出する方法としては,食事の時間やお昼寝の時間,朝の導入保育の時間などの時間帯に,それぞれに相応しい音楽をバックグラウンドミュージックとして流すといった工夫もあります。このような演出には例えば食事を楽しんだり,気持ちを活発にしたり,逆に穏やかに落ち着けることを助ける効果が期待できます。「この音楽がかかったら,遊びを中断して,必要なら片付けをして,昼食の準備をする」など,音楽やチャイム,オルゴール音などを活動の合図に使っている園もあります。