10.風と気づき

「風」は空気の動きです。優しい風があれば,強く激しい風もあります。空気の温度差や密度差がつくるそよ風や突風があれば,扇風機やうちわのように人がつくる風もあります。

風が肌にあたれば涼しかったり,暖かかったり,抵抗を「感じ」ます。風が木々を揺らしたり,風車を動かせば風を「見る」ことができます。風が風鈴をならしたり,何かにあたってうなりを上げれば,風を「聞く」ことができます。

こうした当たり前の事象を意識にのぼらせていくことが,こどもたちの感性の育ちにつながっていきます。

写真は障がい者の通所施設の事例ですが,重症心身障がい者がいるこの施設では,天井に飾りをつけることで,寝たきりの人たちが楽しみや安らぎをもてる空間としています。これらの装飾は窓を開けると風でゆられ,自然への気づきも与えてくれます。