構造化

障がいのあるこどもの療育を行う際に,TEACCHプログラムを用いた構造化を行っている園も多くあります。室内を家具や衝立,絨毯などで区切って場所と場面の意味を明確にかたちづくることで理解しやすくする物理的構造化や,文字や絵,写真などを使って視覚化することで一日のスケジュールや活動内容を分かりやすくする視覚的構造化は,こどもたちの自主的な活動を促すだけでなく,安心して活動してもらうためにも効果的です(*)。「この場所に来たときは,この手順で,この活動をする」,「時計の長い針が赤い丸印のところまでこの活動をする」など,こどもたちの活動への分かりやすさや見通しをもてる環境とすることで,集中して活動に取り組み,次の活動へのスムーズな切り替えにもつながります。

■物理的構造化

写真の園の保育室では、パーティションを用いて活動に応じた小空間を複数設けることで,場所と活動の内容を一致させて,こどもが自主的に活動に取り組めるようにしています。

■視覚的構造化

写真の園の保育室では,決まりごとや行動の順序を整理してイラストで示すことで、それぞれの場所で行うべきことがらをわかりやすく伝えています。

 

*佐々木正美『自閉症のTEACCH実践』,岩崎学術出版社,2002.02/『自閉症児のためのTEACCHハンドブック』,学習研究社,2008.04

佐々木正美・宮原一郎『TEACCHビジュアル図鑑 自閉症児のための絵で見る構造化』学研教育出版,2004.03/『TEACCHビジュアル図鑑 自閉症児のための絵で見る構造化 パート2』,学研教育出版,2006.08