住まいのアイデア部屋の入り口にのれんをかける
| 場所 | トイレ、リビング、台所、脱衣所 |
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| 取り組みやすさ | ★★★すぐにできる(モノを足す、ルールを作るなどの工夫) |
| こんなお悩みを お持ちの方へ |
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部屋と部屋の境目やトイレのドアにのれんを設置する。部屋同士の仕切りになって自分のいる場所がわかりやすくなったり、プライバシーを守りたい場所では使用時にはドアに触れた際に他の人が中にいるかどうかを手の感覚で判断しやすくなります。視覚に頼らない、触覚によるわかりやすいサインです。


リビングやダイニングと台所の間には扉がないことがあります。また、開き戸は中途半端に開いているとぶつかりやすいため、扉があっても常に開放しておくこともあります。このような部屋の入り口や、部屋と部屋の境目の場所では、仕切りがないために自分のいる場所がわかりにくくなることがあります。
そこで、部屋の入り口や空間を区切りたい場所にのれんをかけておくと、手で触ってわかるサインになります。ぶつかってけがをする心配がないので、開き戸のような動きやすく空間に突然現れてしまうようなものの代わりにのれんを使うと、安全な住まいづくりにもつながります。
また、この取り組みは部屋に誰かが入っているかどうかを知る手がかりにもなります。とくにトイレなどのプライバシーを守りたい場所では、なかにいる人の気配を音で確かめる以外にも、他の手がかりがあると、同居している人がいる場合でもお互いに気持ちよく過ごせます。たとえば、トイレ使用中はのれんをさげておき、使用していないときはのれんをあげておく、など、ルールを決めて使用します。
実際の取り組みでは、使う人の身長や動き方に合わせて、のれんの長さを調整することも重要です。顔あたりのまでの短さだと、急に顔に布があたってしまい不快になるでしょう。快適で、安全に使えるように、手で触る高さ(腰ぐらいまでの高さ)や、ひざ下まで届く長さなど、使いやすい長さを決めていきます。
取り組みの実際と声
「トイレに誰かが入っているかどうかわかりづらい」という声をきっかけに、4~5人で共同生活を送るグループホームで、使用中のサインが手で触ってわかるように、トイレのドアにのれんを設置する工夫を試みました。まずは、白色の布一枚でできたのれんを試し、その後に白色と赤色の紐を組み合わせたのれんも試し、色の違いによる反応の変化も確認しました。
実際に導入してみると、のれんが「トイレ使用中の状態を示す目印」だということ、トイレを使っていない時はのれんを脇によけておくなどの使い方が、直感的に伝わりにくい場面も見られました。のれんを広げているかどうかで状況を判断するというルールは、日ごろの動作の中ではなじみがなかったので、意識されにくく、結果として認識の手がかりとして十分に機能しなかった可能性があります。また、のれんが身体や顔に直接触れることで、快適さの面で違和感を覚えるケースもありました。
代替案として、「たまのれん」のように隙間があり、そこを通り抜けられる形状であれば、動線が直感的に理解しやすく、かつ空間の目印としても有効だったのではないかという意見が得られました。