住まいのアイデア動線がわかるように目印をつける

場所 リビング、寝室、庭・外構、廊下、玄関、階段
取り組みやすさ ★★すこし難しい(家具やインテリアへの工夫)
こんなお悩みを
お持ちの方へ
  • 人や物にぶつかってしまう
  • 動線が使いにくい・わかりにくい
  • 家具や什器(便座、イスなど)の位置がはっきりしない
  • 方向感覚が不安になる・方向をとらえにくい
  • 自分のいる場所がわかりにくい
  • 転びそうになる

アイデアのポイント

  • 足元や手元に目印をつけ、進む方向や動線をとらえやすくする
  • 廊下や家具の多い場所でも歩く位置が安定し、ぶつかりや転倒の不安を抑える
  • 家の状況に合わせて設置しやすく、調整もしやすい工夫

住まいの中を移動するとき、どちらへ進めばよいかわかりにくいと、不安を感じやすくなります。特に玄関から廊下に入るところ、家具の間を通るとき、部屋と部屋を行き来する場面では、足元や身体の向きを確かめながら進む必要が生まれます。こうしたとき、動線に手がかりとなる目印をつけておく方法が役立ちます。


目印は、触れたときに違いがわかる素材や、床に沿わせた細いラインなど、いくつかの形で設置できます。足元の場合は、テープや細長いマットを動線に合わせて置くと、足裏の感触で方向がつかみやすくなります。手の届く位置では、壁に沿って触れられるバーや、ざらつきのあるシールを貼ることで、触れたときにいまどこを歩いているのか確かめやすくなります。


玄関から廊下への移動、トイレや寝室への行き来、階段まわりなど、日常の移動の多い場所では、目印があることで、進む方向がはっきりし、歩く速さや身体の向きを整えやすくなります。家具が多いリビングでは、通路の幅を確保しそこに目印を置くことで、ぶつかりそうになる場面が減り、移動が落ち着いて行えます。庭や外まわりでも、手すりや誘導ラインを使うと、家の出入りのときに方向をつかみやすくなります。


目印は取り付けやすく、位置も柔軟に変えられるため、それぞれの家庭の環境に合わせて調整できます。移動時の不安を減らし、方向を確かめながら歩ける環境づくりに役立つ取り組みといえます。

取り組みの実際と声

4~5人の少人数で共同生活を行うグループホームで、床に歩行誘導テープを設置する取り組みを行いました。
この取り組みに対しては、住んでいる方々から高い評価が得られました。とくに、日常的に足裏の感覚を手がかりとして移動している入居者からは、「テープを頼りにして歩けるので安心感がある」との声が聞かれ、歩行時の有効な手がかりとなっていることがうかがえました。
また、設置位置に関しても具体的な意見が得られました。危険が想定される場所の直前ではなく、その少し手前にテープを設置することで、「この先に注意が必要な場所がある」と事前に意識を向けながら歩行できる点がよい、という評価がありました。これは、単に位置を示すだけでなく、心づもりを促す役割を果たしていると考えられます。
一方で、継続的な使用に伴う課題も確認されました。テープ素材であるため、時間の経過とともに端部が浮き上がる箇所が生じ、その部分がかえって危険につながる可能性がありました。実際の運用では、浮いてしまった部分を覆うように補強が行われており、設置後の点検やメンテナンスの重要性が示されました。