こどもは,今日という日をどのように過ごしたのでしょうか。誰と関わり、どのような体験をして、何を感じ、それがどのような発話となって現れてくるのでしょうか。
 保育の時間を保育者と家庭で共有することは、こどもの体験や成長・発達を統合的に捉えることにつながります。こどもがふとした時に発する一言、それが何を意味することか、どのような背景から生じた一言かを理解して接することで、こどもの成長・発達を全面的に受け止めることができます。
 また情報共有は家庭での会話の端緒ともなり、その積み重ねは体験や感情を言語化することの訓練にもつながります。言語化は記憶を強化するため、望ましい行為や発話の学習効果も期待できます。


■ 保育内容の伝達

その日にあったことを保護者に伝えるコーナーを設けている園は多くあります。クラスの入口に掲示版を設けたり、園の入口にスケッチブックを置く、写真を掲示するなど、いろいろな工夫が見られます。こうした情報提供によって保育内容を共有することで、家庭と保育者が連携してこどもの育ちを支え、またこどもの気持ちを受け止める土壌をつくっていきます。
 伝達コーナーは、各クラスに置く場合も多いのですが、この場合はそのクラスの保護者しか目にしません。全クラスの保育内容を一括して展示すると、他のクラスの保育の様子を情報として保護者に提供できます。例えば2歳児の保護者が、「3歳になったら、こういう活動をするのだな」といった情報を得られます。子育てにおいて、見通しが立つことは気持ちを楽にしますし、保育への協力も得られやすくなるでしょう。

こちらの園では,玄関ホールが情報伝達の場として位置づけられています。

こちらの園では,こどもたちや保護者が普段通る廊下に、日々の保育の様子を1年間の保育の流れに沿って掲示しています。保護者にとっては,こどもたちの成長の見通しとともに,1年の保育の流れの見通しもわかる仕掛けとなっています。

保育内容の伝達方法にはほかに,インターネットや園内PCなどでの写真や動画の掲載,(写真付き)メール,連絡帳や園だよりなどの例があります。[39.仲間の共有]もご参照ください。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる