午睡や休憩は,こどもの心身の適切な発達や、生活リズムを整えて心身の健やかな状態を保つことにつながります。もちろんこうした状態が、情緒の安定にとっても大切になるでしょう。

午睡のために、午睡専用の室を設けることもありますが、日本ではあまり一般的ではありません。多くの園で、使わないときにはしまっておける、お布団やコット(簡易ベッド)などが使われていますが、最近ではコットを見かけることが多くなっています。お布団の場合は、布団を干したりするために園から毎週持ち帰るなどの一手間が必要になりますが、コットを園で用意する場合は、家庭で用意するものはタオルケットや掛け布団程度でよく、床に直接寝ることもないので衛生的といったメリットもあります。
午睡のほかに、こども個々人の状況に応じてちょっとした休憩がいつでもできることが大切だと考える園もあります。

トップの写真は保育室の一角に,マットがいつも置かれています。くつろいだり,ごろごろしたり,気持ちを落ち着ける場所にもなっています。

こちらでは、座りやすいソファのスペースが設けられています。家庭と同じように、くつろいで過ごすことができます。上の例でも同様ですが、園に、ファブリック(布製品)などを活用した、やわらかい・あたたかい場があることは、家庭的な雰囲気の演出や、こどもがゆったりと過ごせる場所の提供といった観点から、とても有効です。

「休憩」をもう少し広い意味でとらえてみると、静かに過ごすということでもあります。絵本を読んだり、お話をする、折り紙などの工作等静的遊びの時間としたりなど身体を休めながらゆっくり過ごすなどの場面を設けている園もあります。

こちらの園では、静かに過ごす場所を「室」として設けています。「クワイエット・ルーム」などと呼ばれます。より積極的な意味で、心を落ち着けるための場所という意味では、「カームダウン・ルーム/スペース」などと呼ばれる、小さい、落ち着ける場所を設けることもあります。しばしば、寒色系(青や緑色など)の色調を用いて、照度を落とし、絨毯やクッションなどの柔らかい素材を採用したインテリアとします。

こちらも小さな室で、静かに過ごすための部屋です。ラジカセが置かれ、リラックスできる音楽をかけたりして、場の演出を図ります。

こどもだけでなく、スタッフの休憩スペースも、心に余裕をもってこどもと接することができる心理状態をつくる、あるいはお互いの関係の構築を図り、保育について相談する場として、大切です。記録などの執務スペースとは別に設けることが、場の意味をより明確にしますが、日本ではしばしば十分に配慮されていないことがあります。

小屋裏(屋根裏のスペース)を利用して設けられたスタッフの休憩スペースです。リラックスして過ごせるソファのスペースと、保育の方針についてなどをフランクに話せるがややパブリックな意味合いをもつテーブルのスペースの両方が設けられており、場の使い分けを可能にしています。

別の園の、スタッフの休憩スペースです。ソファ、チェア、照明などで場がつくられ、とても親密な、落ち着けるスペースとなっています。
 保育施設は、こどもたちのための場だというだけではなく、スタッフにとってはプロとしての労働の場でもあります。スタッフもまた、こどもと同様に大切な存在として配慮されていることが、環境づくりを通して伝えられ、共有することはとても重要なことでしょう。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる