3.小さな居場所]や[4.くつろいだ雰囲気],[50.「基地」空間],[56.集中して遊べる空間]などでは,おおむね小さい空間や場所が,こどもたちの安心感や集中力を高めるとご紹介しています。
 一方で,こどもたちは大きい空間,(水平方向への)拡がりのある空間に身を置くと,思わず走り出したくなったり,大きな声を出したくなったりなど,知らず「発散」のモードになります。こどもたちにとっては,集中と発散の機会がともにあることが,心身のバランスの良い発達を促します。

今日では,園舎内や,敷地内に拡がりのある空間がない園もあります。園舎内に充分な広さのホールがあればもちろん良いですが,こどもたちが思いっきり「発散」のモードになるためには,必ずしも園舎内である必要はありませんので,園庭や公園などの外部空間を体験させたいものです。

トップの写真は,都内の都市公園に遠足に来た園児の様子です。思わず広い空間に駆けだしています。思わず身体が動く,走りたくなる,このようなこどもたちの主体的な意欲を引き出しながら身体が育つ環境が望ましいことはもちろんのことだと思います。

拡がりのある,半屋外の広縁です。保育室から連続した,外廊下のような位置づけです。木の床になっており,こどもたちの遊び場所として活用されています。この広々とした空間もやはり,こどもたちが思わず身体を大きく動かしたくなる空間です。保育室から外に遊びが連続してくること,また広縁の長手方向に遊びが展開することで,他のクラスのこどもたちが自然に混ざり合って遊ぶ場所になっています。

廊下(テラス)の幅は狭いながら,それが小さな中庭を介して連続していることで,見える空間には横方向の拡がりが感じられます。この半屋外のテラスも,保育室から遊びがしみ出してきて,こどもたちが自然に交流する場所となっています。


(あけぼの幼稚園)

写真は,保育室から園庭への連続が強く感じられる空間構成の園の様子です,写真手前が保育室,奥が園庭で,間に木で仕上げられた半屋外のテラスが見えます。屋内,半屋外,屋外という連続する空間を感じ,自然に外に出て行きたい気持ちが誘われます。また,少し落ち着いていたいなどのこどもそれぞれの気分によって,屋内・半屋外・屋外というオープンさ/親密さが異なる空間性の場所のなかから自分のそのときの居場所を見つけやすい,他者や活動との距離感を調整しやすい環境だと言えます。


(あけぼの幼稚園)

ロジ状に連続している,半屋外のテラスから保育室にアプローチする園での2階テラスの様子です。手すり子がとても細いため,園庭に視覚的に連続しているという拡がりを感じます。またテラスと保育室が一直線ではなく,角度がついているために,かえって空間の奥行きや拡がりを感じられる空間となっています。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる