読み聞かせは,こどもと親や保育者,または小さなこどもと本を読めるようになった年上のこどもが同じ時間や物語を共有する機会です。お話を聞くことに意味があるばかりでなく,時間や物語を大好きな人と共有することをこどもたちはとても喜びます。こうした意味で,読み聞かせは本の内容そのものに加えて関わりのなかで,思考力や豊かな感性や心情,関わりを喜ぶ態度を育てます。

写真は,あるこども園の3〜5歳児クラスの絵本のスペースです。いまこどもたちが興味を持つだろう本,こどもたちに読ませたい本が箱に簡単に入っています。家庭にあるのと同じサイズのソファが置かれ,スポットライトで照らされた空間になっています。ここで絵本をひらき,保育者やこどもたちどうしが身を寄せ合って,スポットライトの光のなかでお話の読み聞かせをしているとき,その場には凝縮した一体感が生まれています。照明の効果で,物語や関わりに集中できる環境がつくられていると言えます。

物語に集中できる環境は,空間の大きさでも演出することができます。身を寄せ合って座るような,囲われた小さな空間(デン)は,現実世界と切り離されてこどもたちが夢想の世界に遊ぶことを助けてくれます。

家具によっても,読み聞かせの演出をすることができます。

写真の長いす(ベンチ)は,親子が一冊の本を挟んで寄り添って座るシーンを演出するいすです。空豆のようにカーブした形状になっていて,親子が自然に寄り添えるのです。

下の写真は,大人数に読み聞かせをする,しやすい環境を建築空間でつくっている園の例です。

ここでは図書コーナーが玄関ホールに連続して設けられており,コーナーは全体に一段下がっていて,こどもたちがこのなかに入ってお話を聞いたり,縁に腰掛けてお話を聞いたりすることができます。カーブしたかたちになっていますので,直線の段に比べて視線が集まりやすく,お話に集中しやすい空間形状だと言えます。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる