なんでもやってもらっていたこどもがやがて,「自分で,自分で」と主張し始めます。自分も一個の人間として尊重されたいという思い,もちろん好奇心もあるでしょう。そうした「自分で」という思いを引き出し,守ることで,こどもの自主性や自立と自律を支えることができます。自分でできる,という思いは自信や自己肯定感につながり,情緒の安定ももたらします。自立的に動くことができることで行動範囲が拡がるとともに,自信を持って身体を動かせ,健康な身体づくりにもつながるでしょう。

写真は1歳児クラスの保育室での家具の工夫の例です。それぞれのこどもが使う椅子に,クッションや手作りの足置き台がセットされ,こどもが自分で姿勢良く,かつ楽に座れるように配慮されています。足置き台には足裏のイラストが画用紙で貼られており,「ここに足をおく」ことがこどもにわかりやすく,意識されるようにデザインされています。

この園では,椅子の座面と足裏までの長さ(下腿高)を椅子に合わせるために浴室用のクッションマットを切ってボードをつくり,その枚数で高さを自由に調整できるように用意しています。また,テーブルと身体の関係を適切にする(椅子に座ったときに肘がテーブルの上にくると上手に食べられる)ために,椅子の座面と背もたれにマットをカバーに入れてあてています。この椅子はスタック(重ねて置いておくこと)ができるので,使っていないときは部屋の隅などに場所を取らずに保管することができます。

もともと座面と足置き台の高さを自由に調整できる家具を入れるケースもあります。この写真は北欧の保育所の例で,「家庭らしさ」を大切にすると,家庭にあるのはこどもサイズのテーブルではなく大人サイズのテーブルで,こどもが家具などで適切な配慮をしてもらって大人と同じテーブルに着くことが自然だから,という理由で,このような大人サイズのテーブルと,それに合わせてこどもが座れる椅子を選択しています。

丸い絨毯が保育室の中央に敷かれています。クラス全員が「集まる」場面では,この絨毯の上に座って,保育士の話を聞くことになっています。丸い絨毯は集まる場面でのエリアの目印になっています。床にビニール・テープで集まりの目印を示している園もありますが,テープはいずれ端がめくれてゴミが付着し見た目にも汚いですし不衛生になることがあります。また「生活の場所」という雰囲気を阻害しますので,その場所やその場所につくりたい雰囲気に相応しい方法を選ぶことや定期的なメンテナンスが必要です。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる