保育者や保護者が,こどもに「いまなんの時間かな」と問いかけることがしばしばあります。こどもがその場面に相応しい行為や行動をしていないときに出される問いかけです。
 こどもが場面ごとに相応しい行為や行動があることを理解すること,またそれぞれの場面でそのようにふるまえることは,こどもの自立と自律や主体性につながっていきます。求められていることがらを感じようとすることで思考力も鍛えられるでしょう。
 場面や,その場の意図をこどもたちに伝える手段として,
光([11.光の体験])やにおい([9.においの体験])など五感に訴える方法があります。音もそのひとつです。

写真は,クワイエットルーム(サイレントルーム)と呼ばれる,静かに遊んだり,静かに過ごしたりするための部屋です。動的な活動の場とはドアで切り離された「室」としてつくられていることで,場面の切り替えを明確に意識することができます。

部屋の一角にある,壁に囲まれた小さな空間でも,音の聞こえ方(反響)は部屋の中央部分とは異なります。小さな空間では,自然と小さな声で話すようになります。保育者がこどもと静かに話をしたいときに部屋の隅に行くことがあると思います。このようなときには,視覚的に動的場面から遠ざけて集中して話を聞く状況をつくるだけでなく,音響的な効果が得られているのです。逆に,大きな空間では大きな声で話したくなるものです。状況に応じて音響の面からも空間を設えたり,選んだりできる環境は保育や子育てを助けるでしょう。

他に音で場面や行為を演出する方法としては,食事の時間やお昼寝の時間,朝の導入保育の時間などの時間帯に,それぞれに相応しい音楽をバックグラウンドミュージックとして流すといった工夫もあります。このような演出には例えば食事を楽しんだり,気持ちを活発にしたり,逆に穏やかに落ち着けることを助ける効果が期待できます。「この音楽がかかったら,遊びを中断して,必要なら片付けをして,昼食の準備をする」など,音楽やチャイム,オルゴール音などを活動の合図に使っている園もあります。

情緒の安定
1.登園時の期待感
2.気持ちの切り替え空間
3.小さな居場所
4.くつろいだ雰囲気
5.延長保育スペースでの配慮
豊かな感性
6.「触」覚のある環境
7.遊びのなかの触覚
8.全身で感じる遊び
9.においの体験
10.風と気づき
11.光の体験
12.日常的に美に触れる
豊かな心情
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
自然と生命への
畏敬と愛情
 
19.自然に親しむ
20.季節を感じ,楽しむ
21.命を感じ,親しむ
 
創造性の芽生え
13.「演じ」て理解する
14.表現する−音楽
15.表現する−絵画,造形
16.物語が編み込まれた環境
17.遊び込める仕掛け
18.見立てを誘う環境
豊かな言葉
35.文字や数字がある環境
36.知識や物語の泉に触れる
37.読み聞かせの演出
38.ショウ&テルの機会
思考力
30.伝統文化を遊ぶ
31.自国の文化を知り,親しむ
32.多様性を体感する
33.電子メディアとの適切な距離感
34.「不思議」,科学の目の芽生え
自主性・主体性・意欲
50.「基地」空間
51.アフォーダンスの演出
52.遊びの可視化
53.遊びの保存
54.片付けのための工夫
55.遊びの場の保障
56.集中して遊べる空間
自立と自律
22.時間の可視化
23.日課の可視化
24.音で場面や行為を知る
25.流れをデザインする
26.「自分で」を支える
27.着脱の自立への配慮
28.排泄の自立への配慮
29.身近な手洗い場
 
関わる
喜んで話したり
聞いたりする態度
 
38.ショウ&テルの機会
39.仲間の共有
40.保育単位の連携と柔軟性
41.交流の拡がりを誘う空間
42.育ち合いの仕組み
人に対する愛情と信頼感
42.育ち合いの仕組み
46.命の祝福
47.自己の成長の確認
48.生活の振り返りの機会
49.作品の展示
他者大切にする心
協調性
 
43.協働の達成感と喜び
44.集団活動の機会
45.集団のなかでの個の尊重
 
空間把握と身体の把握
57.拡がりのある空間の体験
58.立体的な空間の体験
59.俯瞰する体験
60.安全と危険の感覚
しなやかで健康な身体
61.日常的に身体を動かせる
乳児の環境
62.全身を使って遊べる幼児の環境
63.午睡や休憩での配慮
食への興味と関心
64.調理との関わり
65.食べ物を知る
66.食べ物を育てる体験
 
家庭地域との連携
67.地域の文化と伝統に親しむ
68.地域との関係をつくる
69.保育の時間の共有
70.保護者とつくる環境
71.保護者の活動支援
72.保護者同士の関係をつくる